アニサキス
アニサキスとは?
アニサキスは全長約2-3cmの白色の少し太い糸のような寄生虫の一種で、サバ、イカ、カツオ、サケ、アジ、サンマの体内に住み着いています。日本ではサバが原因食品の1位のようです。
通常魚介類の内臓に住み着いていますが、魚介類が死ぬと内臓から筋肉(=人間が食べる部分ですね)に移動します。
それを人間が食べてしまうことでアニサキスに感染してしまいます。
アニサキスは人間の体内に住み着くことはできないので体内で発育することはありませんが、アニサキスが胃や腸から組織に侵入しようとすることでお腹の激しい痛みなどの症状を引き起こします。
しかし緩和型といって感染しても全く症状がない方もおられます。それは初感染の方は症状が弱く、過去に感染したことのある方は症状が強く出るからであると考えられています。
魚介類を食べた後にお腹の激しい痛み、吐き気、嘔吐の症状が現れた方は早めに医療機関にかかられることをお勧めします。
症状
アニサキスによる病気はいくつかありますが、多くは胃アニサキス症(98%)です。
胃アニサキス症
食事後、数時間後から数日後に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐を生じます。
この痛みは胃粘膜にアニサキスが侵入したときに起こりますが、アニサキスが胃の壁に刺入する痛みではなく、異物が侵入したときのアレルギー反応によって起こる痛みであると言われています。
腸アニサキス症
食事後、数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、吐き気、嘔吐を生じます。時に腸閉塞を起こすこともあります。
アニサキスアレルギー
通常魚介類を食べた後にじんましんなどのアレルギー症状を認めた場合、魚介類のアレルギーが考えられますが、アニサキスによるアレルギーであることもあります。
アニサキスアレルギーは冷凍、加熱しても起こることがあるので注意が必要です。
治療
胃アニサキス症
胃カメラによる虫体の摘出をすることで症状はすぐに収まります。
当院では吐き気や挿入時のつらさが少ない鼻から挿入する胃カメラ(経鼻内視鏡検査)を行っています。
腸アニサキス症
症状を抑える治療が中心となります。
アニサキスアレルギー
抗ヒスタミン薬などを用い症状を緩和します。
アニサキスを予防するには
アニサキスを予防するには以下のような方法があります
・鮮度のいい魚を選ぶ
・魚を切るときに目視で除去
・内臓を生で食べない
・-20℃で24時間以上冷凍する
・70℃以上もしくは60℃なら1分以上加熱する
酢漬け、塩漬け、醤油、わさびではアニサキスは死滅しないので注意が必要です。
監修 今井昭人 (日本消化器病学会認定 消化器病専門医)
当院へのアクセス
所在地
〒604-0866
京都市中京区両替町通丸太町下る西方寺町161
交通
地下鉄烏丸線 丸太町駅4番出口より 徒歩3分