便秘症
便秘とは
便秘とは排便が数日に一回しかない場合や毎日排便があっても残便感がある状態のことを言います。
便秘の原因は幅広く、原因が異なれば治療法も違います。ぞのため原因を正しく診断することが重要となってきます。
最近は若年女性(10から40歳台)で便秘症のかたを多く見ます。不規則な生活習慣(食物繊維の少ない食事、ダイエット、水分摂取不足、ストレス、排便習慣の乱れ)などが原因のこともあります。
このページでは慢性的な便秘を中心に原因や予防方法をお伝えしたいと思います。
便秘の症状
便秘の症状には以下のようなものがあります。
- おなかが張る
- おなかが痛い
- 便の回数が少ない
- 便を出せない
- 便が硬い
- 便が残っている感じがする
便秘により肌荒れ、吹き出物ができることや食欲がなくなることもあります。
便秘の種類
機能性便秘
弛緩性便秘
腸の運動や筋力の低下によって腸の動きが悪くなり起こるタイプの便秘です。
日本人の便秘の中で最も多いと言われています。
けいれん性便秘
腸がけいれんし収縮することで便の通りが悪くなるタイプの便秘です。下剤の乱用、過敏性腸症候群などが関連しています。
このタイプは若い女性に多く、お腹の痛みを伴う場合があります。
直腸性便秘
直腸性便秘は便が直腸まで来ているが、便意が生じないため便が停滞してしまい起こるタイプの便秘です。
便意を我慢することや下剤を乱用することで起こります。
器質性便秘
大腸がんや腸の炎症により便が通過できなくなるタイプの便秘です。
その他に甲状腺機能低下症、パーキンソン病、電解質の異常による症候性便秘、お薬の副作用によっておこる便秘もあります。
検査
便秘に以下のような症状を伴う場合には特に大腸カメラを中心とした検査が必要です。
【注意すべき症状】
・血便がある
・体重が半年で5kg以上減少する
・貧血が進行する
・腹痛が持続する
・便通が突然変化した
・大腸がんの家族歴がある
・治療してもよくならない
50歳以下で上記のような症状を伴わない方には大腸内視鏡は行わず、便潜血検査で代用するときもあります。
大腸カメラ
大腸を観察しポリープ、がん、炎症などの病気を診断する検査です。
大腸カメラは直接病変を見ることができるので、大きさや粘膜表面の模様を観察でき、それにより治療の要否を判断できます。
当院では大腸カメラの検査と同時にポリープを切除する日帰り大腸ポリープ切除も行っております。
甲状腺機能検査
甲状腺機能低下症に便秘を伴う場合があるため、血液検査により甲状腺機能測定を行います。
治療
便秘薬には大別して、刺激性下剤と非刺激性下剤の2種類があります。
一般的には酸化マグネシウムなどの非刺激性下剤から始めることが多いです。
非刺激性下剤は便中の水分を増やして、柔らかくし排便を容易にします。
漢方薬やセンナなどの腸蠕動を強くする刺激性下剤は使いすぎると耐性を生じることがあり、頓用で用いることが多いです。
便秘にならないためには
1日3回規則正しい食事を摂りましょう
特に朝食は便意を促すきっかけとなるので大切です。
食物繊維を多く含む食材を摂りましょう
野菜類、いも類、豆類、ひじき、寒天、果物は食物繊維を多く含みます。
水分を十分に摂りましょう
水分は便を排出しやすくします。水分が不足すると便が硬くなってしまいます。
過度なダイエットは控えましょう
食事不足は水分不足や食物繊維の不足につながります。
適度な運動をしましょう
運動不足は、便秘の原因になります。おなかのマッサージも有用です。
排便のリズムを身につけましょう
毎日、時間を決めてトイレに行くようにしましょう。特に朝食後に行くことがよいとされています。
またトイレを我慢することはなるべく避けましょう。
監修 今井昭人 (日本消化器病学会認定 消化器病専門医)
当院へのアクセス
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交通
地下鉄烏丸線 丸太町駅4番出口より 徒歩3分